画面と基本的な設定 BIMワークベンチの導入

 FreeCAD画面と、単位、グリッド等の基本条件の設定などについて確認しておく。ただし、一度設定してしまえば終わりで、FreeCADを知っている人には全く必要がない。

■初期画面の構成
 ソフトのインストール方法。用語の説明はネットで検索すれば出ている。ホームページからダウンロードしたファイルを実行するだけでインストールできるので特別なことはない。今後の説明のため、画面要素だけは説明しておく。
 ソフトをFreeCADのホームページからダウンロードし、インストールして起動し、新規作成をクリックすると作業画面に切り替わる。

・一番上にメニューバー:プルダウンメニューでツールを選ぶことも可能。
ツールバーのアイコンに出ていないツールがあり、キーボードショートカットもわかるので、意外と使い道がある。

・アイコンが並んでいる部分がツールバー:ツールの選択、現在の状態の確認。
アイコンに中に初期状態で[ start ▽]とあるウインドウがワークベンチ(ワークベンチセレクター)である。

 FreeCADはワークベンチというツール群を切替えながら操作するCADである。一般のCADではツールバーにすべてのツールが並んでいるものが多いが、FreeCADでは使いたいツールのあるワークベンチに切り替えて操作することになっている。
 インストールしたときは、Startワークベンチになっているので、ここでは画面の切替え以外には何もできない。ワークベンチセレクターの部分をクリックして、使用するワークベンチに移動する必要がある。

・建築モデリングで使用するワークベンチは次のようなものがある。
 Arch、 Draft、 TechDraw、 Part、 Part Design、 Sketcher

 BIMワークベンチは、0.19の標準では入っていないので、管理> アドオンマネージャーを使ってインストールが必要である。

 DraftとSketcherはどちらも2次元作図ワークベンチである。BIMやArch、PartDesignでも2次元形状を作図できるので、どれを使うかは使う人にまかされている。
(各ワークベンチに共通しているツールも多数ある。)

 Sketcherは特殊なワークベンチで、2次元作図ツールのように見えるが実際は、拘束という条件を使って2Dのオブジェクトを作るためのツールというイメージである。SketcherはFreeCADに絶対に必要なツールであるが、2次元作図ツールではないので、2DCADの作図の練習にはあまり役にたたない。

 そもそもFreeCADは2次元作図ソフトではないので、作図に関しては最低限の機能しか備えていない。2D設計図作成の機能を必要とする場合は、フリーソフトのQCADやLibreCADを検討するように紹介されている。


 メニューバーとツールアイコンは選択したワークベンチにより切り替わる。

・色のついた部分が作業ウインドウ:モデリング作業のスペース、初期状態では3Dビュー 

・左ウインドウがパネル:初期状態ではコンボビュー 上段 モデル/タスク 切替え
                        下段 ビュー/データ 切替え

上段モデルタブは、モデリングしたデータの一覧が表示される。
 この部分でデータをドラッグしてツリー状の階層構造にすることができる。
階層構造を作らないとデータの整理ができない。例えば壁を作ると、Wall01 Wall02 Wall03のように連番で命名される。番号が増えてくると、この中から外壁だけ選択するというようなことは不可能になる。
 作業ビューを見て選択すればよいが、外壁をまとめて変更したい時などは、一発で選べるほうが便利である。

上段タスクタブは、その時に操作用中のツールのパラメーターとオプションが表示される。この部分を変えることでツールの効果が変わる。下段データタブより項目が少ない分だけわかりやすい。

下段ビュータブは、選択したオブジェクトの作業ビューでの見え方を制御する。
例えば、通り芯の通り符号の大きさ、見え方、文字などをここで調整できる。

下段データタブは、選択したオブジェクトの情報を管理する。
パネル内の項目を変更することで、オブジェクトの形状、位置などを細かく変更できる。

・下段はレポートビューで、作業の状態を表示する。Pythonコンソールを並べて表示することもできる。

・最下段はWindowsソフトによくあるステイタスバーで、作業中のコメントやソフトと画面の状況が表示される。わからないときは、ステイタスバーを見ると、ヒントになることがある。


■BIMワークベンチの導入
 BIMワークベンチはFreeCAD 0.19では標準で登録されていないので、メニューのアドオンマネージャーで追加登録する。
1. メニューのツールでプルダウンメニューを出すと、アドオンマネージャーがあるので、クリックして、ウインドウを開く。
2. ワークベンチタブのリストにBIMがあるので、クリックして選択し、下段の選択をインストールをクリックすれば導入できる。
3. 再起動を要求されるので、OKすれば、FreeCADが一度閉じてから起動する。(再起動はソフトの再起動である。)
(アドオンマネージャーの使い方はネットで検索すれば情報が出ている。)

 BIMワークベンチのインストールが完了し再起動したらツールバーのワークベンチのvマークをクリックしてプルダウンメニューを出し、BIMをクリックして切り替える。


■BIMのための基本的な設定
最後に作図を始める前に、最低限必要なCADの設定をしておく。

メニューバーの編集をクリックしてプルダウンメニューを出し、一番下の設定をクリックする。

右列のアイコンから標準> タブの中から標準タブをクリック。
・起動時に自動ロードされるモジュールの部分で「Start」を、「BIM」に変更しておけば起動するたびにワークベンチをBIMに変更する手間がなくなる。
(BIMに設定すると、起動時に作業ビューが空白になっているので、ツールバーの新規作成アイコンをクリックしてビューを開く。ドキュメントタブの起動時に新しいドキュメントを作成ONにすれば、新規ファイルが作成され上面ビューから作業を開始できる。)

・標準> 選択範囲の中の □対応するオブジェクトが3Dビューで選択された場合にツリーアイテムを自動的に展開 にチェックを入れる。(モデルタブでオブジェクトを探しやすい)

・標準> 単位タブで単位を設定する。
単位の設定の単位系を 標準(mm/kg/s/度)にする。
小数点以下桁数は、建築図でmm単位なので、0または1でよい。

・Draft> グリッドとスナップをクリック。
作業平面を確認する意味でグリッド表示があるとわかりやすいので、サイズを調整する。
建物の規模にもよるが、10m程度のグリッドを表示するなら、グリッド間隔を100mmにすればよい。(作業の邪魔にならない程度の大きさに設定する)
グリッドサイズは作成する図面に応じて作図の状況を見ながら変更してもよい。

すべて完了したらOKをクリックして、作業画面にもどる。

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